直腸がんステージ1からの肺転移

2019年6月18日 大腸がん肺転移疑惑のCT検査結果を聞きに…そしてまた手術へと向かうことに…

先週受けたCT検査の結果を聞きに行く日となった。

さすがに今日は夫同伴である。

もしかしたら余命宣告とかもある?のかも???

そうなったらさすがの私もひとりではどうかと…いうのがあり…。

さすがに今日は足取り軽くとは行かないや。

どうせ出ている結果だから、どうあがいても無駄なんだけれどね。

診察室では、

前回3月のCT画像と今回のCT画像を左右に並べて、影の大きさの比較などを見ながら先生が初見を話す。

 

結果、1個だけあった影が、やはりこの3か月でサイズアップしていた。5ミリが1センチくらいになっていた。

消えているわけではなく、個数が増えているわけでもなかった。が、1個の腫瘍は確実に大きくなっていた。

 

ということで、これは、転移であるということになった。

 

先生いわく、がん細胞は血液に入って全身を巡っていると。ただ今は、肺の一か所に腫瘍となって現れている。3か月期間を空けてCTしてみて、それでも転移が一か所だけで、手術で切除出来る場合は、予後が良い…という。良いという結果が、数字としても現れているんだと。

 

つまり、肺転移しても、切除手術が出来ると診断された私のケースは、予後が良い可能性が高いということだ。

 

3か月たってたくさん転移があった場合は、手術は適用されないんだそうだ。切っても切っても、またがんが出来てくる。そういう性質の転移だから、切っても体に負担がかかるだけで、意味がないというか、効果がないから切らないんだと。

 

私は手術が出来る。ラッキーなのだ。

目に見えないがん細胞がどういう動きをしているかは計り知れないけど、目に見える転移がんを切除することで回復している患者さんが実際にいるという。この病院でもそういった症例がとても多いという。この病院では、80%が術後回復しているという。80%!!!

 

ふつう、転移があると、それは次々にがんが発生するからキリがないというイメージだったけれど、大腸がんにおける肺転移に関しては、先生も不思議だというほど、手術出来た場合の回復がとても多く見られるんだという。

 

そうなんだ…。

それは、ちょっと、期待してもいいのかな?

私は思わず聞いた。「今の時点で、余命うんぬん、ということは言えないのですか?」と。

すると、

「手術できるという判断なので、余命うんぬん、は今の時点ではないです」との答えだった。それはそれは良かった。ひとまず安心。とりあえず安心した。

 

もう一つ聞いた。「遠隔転移だから、わたしはステージ4ということですね?」と。

すると。

「ステージ付けは最初に見つかった時にするものだから、ステージ1は変わらないけど、今はステージ4と変わらないって言うことですね」との答えだった。

そうですよね…。

 

先生は一生懸命、パソコンに何やら打ち込んでいる。次にお世話になる、呼吸器外科の先生への申し送りであろう。

打ち込み終わりで、院内PHSで呼吸器外科の先生に電話をかけて「9か月前に手術して、転移がみつかって…お一人、〇〇さんと言います、よろしくお願いします。」と早速連携していた。

 

そして大腸の主治医の診察室を出て、もうすぐにその足で、2階の呼吸器外科の先生のいる待合室へと向かった。今日から新しい先生にバトンが渡されるのだ。なんか、そういう展開なんだ…。早いな…。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

呼吸器外科の先生は、出だしからとても丁寧に、大腸がんの肺転移について説明してくださった。なぜ大腸がんが肺に転移しやすいか、という話から。

 

がん細胞が乗っかった血液が心臓に戻り、最初に行く臓器は肺であると。そして肺には小さな毛細血管がたくさんあって、小さながん細胞がそこにトラップされて(毛細血管に捕まえられて)、そこで腫瘍が大きくなっていく…ということ。

 

他の臓器からやってくる転移性肺腫瘍は、圧倒的に、大腸からが多いんだそうだ。手術の数も多いので、だんだん手術の実績が蓄積されてきて、遠隔転移ではあるけれど手術が出来る場合は、治療効果が高いということがわかってきたんだそう。

 

手術は、がん腫瘍が1個でも2個でも3個でも取ることがあるけれど、完全に取り切れることが重要。完全に取り切れるという判断が出来る場合のみ、手術を適用させるという。

腫瘍の場所によっては、肺を大きく切らなければならない場合もある。それはそれで、肺の機能を大きく低下させるわけだから、よろしくない。

 

さて私の場合はというと、

左肺の下の方、割と切り取りやすい場所に、1個だけあるという状態。

もしかしたらこれも怪しいかな、という小さいものがあと2個あるけれど、それはこの3か月で大きさに変化がないから悪性腫瘍ではない可能性が高いと。

ただ、メインの1個の近くにあるし、肺の表面にも近いから、一緒に手術で取ってしまってもいいかもしれない、と言う。

 

ここで、去年の7月のCT画像との比較をし始める先生。7月の時点ですでにあった腫瘍なら、大きくなっていないから、悪性ではないと判断できそうだと。

なるほど。

で、7月にもその小さいのは存在していた。ということは、悪性ではなさそうだと。

なるほど…。

肺は、そういった小さいものが悪性かどうかの見極めがなかなか難しいのだそうだ。

 

それにしても、

いろいろとここまで、本当にラッキーなわたしの肺。

出来た腫瘍は取りやすい場所だし、明らかなものは1個だし。

 

こうして、手術が適用になるという判断で、話が展開してゆく。

 

次の話題は、手術の方法だ。

左腕を上に上げて横になり、左わきの下あたりに3つ穴を開けて行う「胸腔鏡手術」となる。手術時間は1~1.5時間、入院は約1週間。

そして術前検査は今日からやっていきましょうと。

 

え!もう今日から!!

 

そして、若いから術前検査で引っかかって手術が出来ないと言こともないだろうから、もう手術の日程を決めても良いでしょうと。

 

え、もう今日決めちゃうの!!

 

手帳を引っ張り出す。

7月の手術…

子どもたちの夏休みの期間中のほうがいいのか???

ちょっとそのスケジューリングまでは頭になかったよ今日は!!!

こんなにとんとんと話が進むもの・・なのか・・・

 

先生も手術室の空き具合などをパソコン画面で確認し、

「最短で7月1日手術でもいいですよ」とおっしゃる。え!

 

手術の前に入院するからええと…動き出すのは6月下旬からだ。

中学の面談があるなぁ。

夫は夫でこの日は仕事だから術前説明には来れないなぁ…とか。わたわたと夫婦間ですり合わせる。

私は特にスケジュールがない…けど。いや、あった!一つだけ、前々から楽しみにしているイベント(私が主催するやつ)が6月末にあるよ…これはやりたい。

 

そして中学の面談。術後の様子はどうなんだろう、術後1週間で普通に歩いて徒歩10分の中学校に面談に行ったりできるもんですかね?と、具体的に先生に質問してみた。

すると、あ~全然大丈夫ですよ、そんなに息苦しくなるとか歩けないとか、そういう感じではないですよ肺の術後は!との頼もしいお答え。

 

いや、私の中での術後の記憶は、直腸切除のときの結構切り傷が痛かったりした感じが強いから。2週間の入院だったから体も弱っていて、普通に出かけたりって言うのは、退院翌週では厳しかった思い出があったのね。

そうか、肺は大丈夫なのか。

 

スケジューリングにおけるかずかずの疑問点をすべてクリアにしていただき、7月3日を手術日として予約していただいた。

 

そして先生はてきぱきと本日の検査予約をパソコンで入れていき、このあともしばらく病院にいることに…。すごいな。

本日の検査結果に何か問題があれば再検査となり、手術も延期となるらしい。

でも若いからそんなこともないでしょうと。若い・・・のか私(笑) まぁそうかもね、大腸がんの肺転移手術の患者さんの中では、若いんでしょうね。これは喜んでよいのか(笑)

 

手術が予定通り出来るという前提で、今日もう、入院のオリエンテーションの話を聞いていってもいいですよというので、今日できることは今日やるのモットーで、それもお願いした。

 

そして来週、検査結果を確認するために、もう一度この先生のところに外来で来ることになった。

約20分もかけて、先生は非常に理知的に丁寧に、各種説明そしてスケジューリングまで成し遂げて下さった。

 

ありがたい。

このスピーディーさは普通なのだろうか。がん専門病院ならではの連携ぶりなのだろうか。

私がこんなふうにまた手術を受けることになるなんて、最初にここを選んだ時にはつゆほど思ってなかったけど(だってステージ1だし、切って取って終わりだと思っていた)、いまこうなってみて、本当にここにして良かったと思っている。

 

 

このあと私は、負荷心電図やら、呼吸やら、痰の検査やらを一通り受けて、思いがけず丸一日を病院で過ごした。長い一日だったなぁ。

最初の主治医の検診だけで終わるなら、午前半休だけとって、午後は勤務しようと思っていたけど、それは出来なかった。

 

今日はこんな展開になるとは、ちょっと予想できなかった。

肺転移確定からの動きとは、このようになるのだな。また一つ経験値アップした。

とにかくまた、入院だ。

 

2週間後には、また私はここの「患者」になるのだ。