冬の入院日記(2回目の手術編)

がん研有明ふたたび。入院も二度目なら、少しは上手に…ストーマ閉鎖術の入院1日目

冬の入院、有明の夕日

2018年11月21日(水)有明ふたたび

ついに今日からふたたび有明の日々が始まる。

朝は5時半に起きて、長男のお弁当を作った。昨日から始めた朝練前のおにぎり2個も握った。次男は今日はハマ弁試食会だから弁当は不要。

しばらくお弁当作れない(または、作らなくていい♪)と思うと、苦も無く起きることが出来た…

さて今日の心境はというと。

昨日までとはちょっと違っていて、もう腹をくくったという感じ。あの術後の痛みがイヤだな、またあの感じか、とか思ってブルーになっていたのは昨日までの私。今日はもう、行くっきゃない。そんな気持ちで目覚められた。

7時ちょっと前に夫も仙台から夜行バスでやって来てくれた。私は朝ごはんを食べて(実はもう、今日は食べちゃいけないんだった…忘れてた!!!)カフェオレも飲んで(コーヒーも牛乳ももうNGな時間帯だったのに!!!)、家事をいろいろとこなし(床の拭き掃除までやった)、いつになく遅刻遅刻と大騒ぎする次男を慌ただしく見送り。そんなことをしているとあっという間に出発予定時刻の10時…

今日は荷物が多いので、車で行くことにしたのだ。

そして、普通なら1時間あれば余裕で着くはずの有明、しかし渋滞である…

最初は15分遅れくらいか。いったん病院に電話を入れてその旨伝える。羽田空港あたりで高速を降りて357で行ったけど、下道もやはり渋滞で。トンネルの中に故障したバスがいて、そのせいもあって大幅に遅れ、再度病院に電話を入れる。

で、無事についたのは12時45分であった…。大遅刻であるよ…。

入院窓口にたくさんの人がいる中、スミマセン今日入院なんですが遅れてしまって…と窓口に申し出る。ほかの皆さんは、どうぞどうぞお先に!と優しい。

さて入院手続き。

差額ベッド代がかかる部屋だと言われていたけれど、今日になって差額ナシの部屋があったということで。無事に通路側のベッドをいただけることになった。でも今回は西棟だよ…胃がんの病棟と聞いていたけれども、西棟は。最近は胃がんより大腸がんが多いと聞いていたけど、やはり、大腸病棟は混んでいるということなのですね。

9番入院窓口を出た後、すぐに採血の部屋へ。そうか、今日は尿は取らないんだ…。尿も必要な場合は、自動受付機から紙コップが自動で出てくるけど今日はコップなしだった。そして血液は4本分。採血の看護師さんと雑談で、黒人の方の血管は見えないですよねー、採血どうするんでしょうねーとか話した。なぜそのような話題になったのかは覚えていないけれど(笑)

パジャマも自分のを着ていいといわれ、パジャマ工房で新調したネイビーのに着替えた。このパジャマ、イメージは綾瀬はるかが「義母と娘のブルース」で着ていたやつ♪次に入院するときは病院のレンタルじゃなくてマイパジャマにするんだ!と決めてから、可愛いパジャマをリサーチしていたのだ。全く同じのではないけど、うんうん、こういう感じだったのよ。単純だけど、お気に入りのパジャマだと気分が上がります。入院生活、こういうことが結構大事です。

fbt

部屋に入って支度をしていると、向かいのベッドの方がわざわざカーテンを開けて挨拶してくださった。明日手術だそうだ。私の隣のベッドの方は、わたしよりきっと若い方。もう手術は終わっているみたいで、点滴をいろいろつけていた。斜め向かいの方はまだ会っていない。どんな人だろう。前の病室とはまた雰囲気が違う。メンバーが違うんだから当然だけども。前回はみんなでお話したりして、楽しかったなぁと思い出す。

着替え終わったら夫がやっと満車の駐車場から空きを見つけて入庫し、7階に来てくれた。そう、道路の渋滞もさることながら、病院の駐車場も午前中はいつだって満車なのだ…。

続いて看護師さんが来て、今日の流れを説明してくれた。3時ごろ、先生から手術の説明があるとのことだった。麻酔科の先生の話は、先生の手術の合い間になるから、だいたい2時から3時くらいだけどはっきり何時とは言えないとのことだった。とりあえず夫には、今のうちにランチしておいで!と言って別れた。私はもうすでにランチなしの絶食状態に突入している。

12時45分だったので、テレビカードを入れて(前回買った分が、あと400度残っていた)、ちょうどNHK連ドラの福ちゃんを見ていたら、間が悪いことにこのタイミングで薬剤師の方がみえた。使う薬の説明だった。押したら出るタイプの麻酔風の痛み止めは今回は使わないと!!なぁんだ…楽しみにしていたのに!

そしてサプリは飲んでいるかと聞かれたから、飲んでないと答え、サプリってどうなんですかね~がんになるといろいろ勧められるんですけど…とぶっちゃけ聞いてみたら。思った通りの回答でありました(笑)

部屋で自分の持ち物を棚に収めたり、パジャマ同様持参したマイ枕にカバーをかけたりしていたら、レントゲンに行くように言われた。レントゲンなんてお安い御用ですよ!っと2階に移動し、あっという間に終わる。そして談話スペースで夫と今後のスケジュールの話をする。入院計画書には、最大2週間の入院と書いてありビビる。まぁそんなに長引くことはないらしいけど、一応、夫の出張予定の電車の時間をメモしたりする。退院希望は29日木曜日だけど、それが無理なら次は土曜日がいいね、とかね。一人で退院できないこともないだろうけれど、ストーマ閉鎖後は排便機能のコントロールが効かないから、移動は何かと大変と聞くので。今回は夫に付き添ってもらいたいのです。

そうそう、レントゲンが終わった後、まぁりんさん(札幌のお友達で、ステージ4のがんを克服した女性)が出版した本「青い空と向日葵」を2冊寄付しようと、総合案内に立ち寄った。すると、募金課へどうぞと言われ、総合案内の奥の部屋に通された。女性が対応してくれて、友達が書いた本です、卵巣がんステージⅣの人の詩集なんです!と張り切って手渡す。できればインフォメーションと、卵巣がんの方がいる病棟に置いてほしいんです、と話す。すると、最近は本がたくさん集まりすぎて、置ききれないものは古本市に出されると…。え、古本市!!そそそれは困りますと言うと、その場合はご連絡しますねと言われた。古本に回すなんてとんでもない!!昨日アマゾンで届いたばかりなんですから!と念押しする。

その時、がん患者が歌うベートーベン第九コンサートの話を聞いたら、女性パートは特に大人気で募集かけたらすぐに埋まるほどだそう。週1回の練習で、有明だったり都内だったりで開催するそうだ。毎年ではなく、2年に1回くらいのペースだそう。

これはぜひ出てみたいと思ってるんだけど、そうか、女性はライバルが多そうだね…。でも有名な指揮者の方が指揮してくれるとかで、確かに魅力的なのよね~。

そうこうしていると、だんだん、今回の有明患者ライフも悪くないっていう気持ちになってきた。iPadで回答する患者アンケートには、ストレスは0じゃなくて1にしたけれど(そしてそのことはナースに突っ込まれたけれど)、今はだんだん、ストレスフリーになってきたよ。ゼロに近づいてきたよ!

3時が近づいたので部屋に戻って手術説明の先生が来るのを待つ…がなかなかいらっしゃらなくて、つい眠くなって寝ちゃった。

ほどなくして部屋にみえた先生は、見たことのない若い先生で、えらくあっさりしていた。あまりにあっさりしていたの、これが今回の説明??ってびっくりした。(実際はそうではなかった。ほっ。)

続いて麻酔科の先生の説明があるということで、別室へ移動した。この先生、見たことあるなぁ。前回も説明してくれたんだっけか、いや、前回は違う先生だった。でもお名前を見たことあるなぁ…などとぐるぐる思いつつ向き合うと。

説明は、前回の様子を聞くところから始まった。いろいろ思い出した。麻酔が切れたあと、腰がやたらと痛かったこと。声がかすれてたんがからみ、出そうとするとお腹が痛かったこと。ボタンを押して使う麻酔を今回はしないと薬剤師の方が言ってたけどどうしてですか、とか。私が気になることも聞いてみた。

すると、今回は傷の状態がそれほどでもないであろうことが予測されるから、押すタイプの麻酔はやらないんですって。むしろそれをすると、副作用の眠気とか吐き気が強まる可能性があるとのこと。なるほど、そういうことなら。覚悟します。明日はこの先生が担当してくださるという。前回は、説明の先生と当日の先生は違ったからね…。ちょっと安心。なんとなく安心。

この説明が終わるや否や、次は主治医の先生がお待ちです!とすぐに別の部屋に通された。なんだ、主治医の先生の説明があるんかい!!さっきの先生があっさりしているわけがわかりましたよ。今度の説明が本番ね…

で、モニターを見せながら、前回やった注腸検査の写真や(液体が白く映っていて、その液体が腸から漏れている様子はない)、大腸内視鏡検査の結果(青い水を満たしたやつ、ポリープっぽいのがあったけどがんじゃないよね?ってやつ⇒病理検査の結果、肉芽というやつで、術後はできやすいものだと。ポリープでもないと)を見ながら、あとは今日の血液検査とレントゲンの結果も問題ないので予定通りやりますと。

そしてなんと今度は手書きの図入りの説明が始まった。先生が書いたんだそう。上手いですね!

術式はシンプルで。いま体外に出ている小腸の周りを丸く切り、少し体外に出して、二つの山になっている小腸を縫いつなぐということだ。体外でつないでお腹の中に戻すということ。今回は、腹腔鏡というより、本当にお腹の肉、筋肉を切るんだなぁ。想像するだけで痛そうだ。そして皮膚を完全にくっつけるんじゃなくて、うみを出すために少し離しておくと。そこが完全に乾いてふさがるまでは1か月くらいかかるんだそう。うーん、なんだか、その間は痛そうだなぁ…。

手術自体は1時間くらいで終わるとのことで、先生にとっても前回よりだいぶ楽ですね♪というと、そうですね、と。麻酔から覚めるのも含めると2時間半ということらしい。それを聞いてだいぶ心が軽くなったよ。きっと大丈夫、すぐに終わるね。

なお手術室の関係で、1つめの手術が終わってからの午後の手術になるらしい。主治医の先生の執刀としては私が一人目。先生は私のあとにもう一人いらっしゃるんだそうだ。

説明が終わって部屋を出ると、夕日がきれいに見えた。ガラスが汚れていたからイマイチかなと思ったけど、結構きれいな写真がとれた。まだ4時過ぎなのにね。夜が早いことを、窓が大きいこの病院にいるとますます実感するね。夜が早いのは、寝るのが早いからちょうどいいかも。

そうして時計を見ると4時10分。大変!私のシャワー予約時刻は、4時から4時20分だった!大急ぎで10分でシャワーを済ませる。こればかりは今日絶対やっておかないとね。明日からかれこれ3日はシャワーできないからね…。

それにしても西棟のスタッフは東棟と全然違って(ナースステーションが別だから当たり前だけど)なんかそれがちょっと寂しい。前にお世話になったナースの皆さんにまた会えると思ったのに。いや東棟に行けば会えるんだろうけど、皆さんは私のこと覚えてるわけないよね。

談話室で夫は少し仕事をしていて、私もパソコンを持ち込んだ。相変わらず自室のベッドは窓がなく、暗いのでね。そして5時ちょっと前に、夫は帰った。朝からずっといたから、駐車場は3500円もかかるんだって。今日は高速も使ったね。出費だったね。でも車で来れてたくさんの荷物が運べて本当に良かったのよ。

さあ今日はもう日記はこのくらいにしようか。この後はOS-1を飲むくらいしか仕事はない。Wi-Fiも今日はまだない。オフラインで原稿を書くだけ。

夏の日記を整えることをしようかな。こんなにじっくりブログを書きまくれるのも久しぶりだし。FBにも書きたいし。

明日以降、またしばらく「動けない人」になっちゃうからな…。ほんと、前回もそうだけど、手術したらあんなにわたしが別人になるなんて、思いもしなかった。あの時はほんとに生まれ変わった感覚があったけど、今回はどうなるんだろう。明日の手術が終わったら、わたしはもう一度、生まれ変わる感覚になるのだろうか?

家から持ってきたサーモスの水筒にお湯を注いでお茶を入れたら、やっぱりとても美味しい。これも、前回の経験を経て学んだワザ。お茶は自作する!

入院も二度目なら、少しは~上手に~♪ 今日は明菜ちゃんのセカンド・ラブで。

さぁ、2回目の有明入院。快適ライフを送るのだ。