がんが、発生臓器とは違う、遠く離れた臓器にも見つかることを「遠隔転移」というけれど、その状態は、ステージ4を指す。
がんのステージは1から4まであって、数字が上がるほど、5年生存率が下がっていく…
主治医いわく、ステージングは一般的には最初の診断の時しかしないから、いまになって私を「ステージ4」ということはない、ということだけれど、
実質わたしのいまの状態はぜんぜんステージ1じゃなくて、4なんですよね…。
その事実は、結構、ショックだった。
もうこれで一安心だね、5年の経過観察がなにごともなく過ぎればいいね、もう治ったも同然だね…そんな風に、周りも本人も思い込んでいたから。
そうだ、周りに、この事実をまた伝えなければならないのだね…。
このことは、私に重くのしかかっていた。
正直、最初にがんがわかった時より、今の方が心情的にキツイ。早期発見できたから!ステージ1だから大丈夫心配しないで!!と明るく元気に言えた私は、もうここにはいない。
だって転移だもの。ステージ4状態だもの。
私この先、何年生きられるんだろうか。
直腸癌の肺転移の予後って、どのくらいなんだろうか。
今度こそ私は、死というものを身近に感じざるを得なくなった…
これが、がんという病気なんだな。
わかったつもりでいた「がん」というものに、どーんと、挑戦状を突き付けられた感じ。
そうか、私、まだまだだったんだな。
うん、とにかく、現実を受け止めよう。
…と、まだ転移と確定されるまでには3か月も待たなければならないのに、もう完全に自分の中では「これは転移なのだ」という思いでいっぱいだった。
そうして私が起こした行動は、やはり、ネットで調べること。手っ取り早いのでね。
そうすると、肺の一部を切除する手術は有効である、つまり生存率を上げる効果がある…というような医学関連の報告なども出てきたりして、ちょっと嬉しくなる。
がんはひとりひとり違うし、転移の状況も、がん細胞の性質も違うから、ネットで見つかる体験談や症例はわたしのものとは違うわけで…
でも、参考にはなる。希望も見える。
どうなるかわからないけど、諦めるような状態ではないよね!
なんたって、(最初に大腸にがんが見つかった時と同じかそれ以上に)体には異変も痛みもなーんにもないのだから。
肺って言われても、息苦しいとか、そんな感覚はゼロですから。
だから転移って言われても信じられないし、信じたくないんだけどなぁ。
まぁ、がんって、そういうものだからなぁ。最初は静かにひっそりと小さくまとまって、だんだん育っていくものだからなぁ。