つれづれ雑記

サントリー一万人の第九 初参加のわたしが感じた、歌の感動ポイント語ります♪ こんな気持ちで、わたしは第九を歌っています

ベートーヴェン「第九」の世界。

そのメロディーの美しさ、切なさ、華やかさの奥にあるものや
歌詞に込められた思いを知るごとに。

私は第九が好きになっていきました…。

本も読みました。2冊だけだけども。


ベートーヴェンの歴史、第九の歴史を知りました。
いやはやこれは…知れば知るほど、深い。

世界中で多くの人が魅了され、
YouTube再生回数は2億回を超えるというのは、どういうことなのか?

(ちなみに私のお気に入りのバージョンは、1977年のカラヤン指揮のベルリンフィル♪ 合唱団上手すぎる。歌詞も各パートの音もはっきり聞こえて最高すぎです。下村先生も、ベルリンフィルは別格と大絶賛されていましたから、これきっと聞いて間違いなしです。)

第九の楽曲についての詳しいことや、歌詞に込められた思いなどを
ここではくわしく論じるつもりも、論じることなどもできませんが(笑)
純粋に、私が練習で歌っていて
「気持ちいいな~」というポイントについて、語りたいと思います。
先生にどんな指導をされて、どんな風に歌いたいと思っているのか、についても
自分の覚え書き的に書いておきます。

本当は、大好きなフレーズベスト3とか選ぼうと思ったのだけれど、
どこも素晴らしくて、
ベスト3など選べなくて。

結局、歌のところ(コーラス部分)全部について、語らせてください♪

まず男性バリトンのソロが始まりますね~

♪オー フロインデ ニヒト… おお、友よ、この響きではないのだよ~ のところ
張りのある美しい声にまずうっとりしますね。

そして独唱の♪フロイデ に
男声合唱の♪フロイデ がかぶさってくるところ。
ここ明るくハッピーに幸せいっぱいに、笑顔で!男性陣が歌うところですね。

いろんなオーケストラのバージョンを聴き比べてると、ここのフロイデの感じ、明るさ具合や幸せ感って、結構団体によって違うなぁって感じます。まず最初の聴きどころだと思ってます。

そして独唱に戻り、ついに合唱が入るところ。

257小節 Dの部分。
ソプラノパートはないのだけれど、アルトと一緒の旋律で歌います。合唱団が全員で最初に歌うところ。
♪ダイネ ツァウヴェル ビンデン ヴィーデル ヴァスディーモーデ シュトレンゲタイルツ
最初のメッセージを伝える部分、とても大事なところです。音が低いから歌いやすくて助かるところ(笑)最初の発声としては助かります。

しばし独唱となり…

285小節 
独唱で語られたメッセージに対して、全員で「そうだね!」と同意して歌い上げるところ。
♪ヤー ヴェル アウフ ヌル アイネ~ズィーレ ザイネエンツ アウフ デン エールデンルント

ヤー!の入りをしっかり。準備して入らないと、そうだね!に聞こえないよと。このフレーズ、後半は静かにピアノで歌うんだけど、歌詞は結構厳しいことを言っていて、そのギャップにベートーヴェンの優しさ?を感じるのです…。「勝ち得ないものは、ひそかに涙ながらにこの集団から去りなさい」と言ってます…。

そしてまたソロになり、
いよいよ最初の山場ともいえる

313小節

♪キュッセ ガープジー ウンスウント レーベン アイネン フロイント ゲプフリュート イム トート
キラキラした音が欲しい!と先生に言われたところ。音も高くて、歌詞も大変なので、ついつい頑張っちゃって先走ってしまうところなんですよね…。子音のチカラを発揮してくれ、とも言われました。

ここのね、アルトパートがもうめちゃくちゃ美しくて、聞いてて泣きそうになるほど。

そう、私はソプラノだから、主旋律をほぼ歌っていて、それは誰もが知っているメロディなのね(だからこそソプラノを志願したのだけれど)。合唱練習をしていると、アルトの旋律の美しさに本当にしびれるんです…。

そしてそれは、男性のテノールやバスの旋律にも言えることで。もう、しみじみと、すてきなのね…。ベートーヴェンが、どれだけ考えて作ったハーモニーなんだろうと。

そして、ここのキュッセから続く、

321小節からのハーモニー… ここからの盛り上がりが私は一番この曲の中で歌っていて気持ちがいいところかも。

♪ウント デル ケーループ シュティート フォール ゴーーーット
こここそ、私が初回の練習時に度肝を抜かれた、「一オクターブ上のソの音」の部分ですよ…。このゴーットが出せるようになったことが、私の今回の成果ですよ。
そのくらい、印象深いところです。
シンプルな音の重ね合わせだからこそ、ハーモニーの美しさが際立っていて。本当に好き。
ここが決まったら、ちょっとほっとするところ。

その後またソロが入り、
かっこいい男声合唱が来ます。

411小節
♪ラウフェット ブリューデル オイレ~ バーン フロイディッヒ…
ここノリが良くてほんと気持ちがいい!「自分で決めた自分の人生、かっこよく生きなさい!」というメッセージだそうです。ここは、ベートーヴェンは、男性だけに歌わせている。そこにまた意味があるのですね…。
聞きながら体が左右に揺れてしまうところです。

そしてオーケストラ演奏がしばし入り、
音程が、こうかな?ああかな?という感じで少し迷う感じが合って、
これだな!って決まって来て全員合唱がビシっと入ってくるところ。サビ!絶対上手に歌うぞってところが、ここ。

543小節
♪フロイデ シェーネル ゲッテル フンケン トホテル アウス エリ~ジウム 
ウィル ビットレテン フォイエル トゥルンケン ヒムリッシェ~ダイン ハイリントン
(中略)
♪アーレ メンシェン ヴェールデン ブリューデル ヴォー ダイン ザンフテル フリューゲル ヴァイルツ

この、アーレメンシェン ブリューデルのくだりは後半にも何度も出てくるんだけれど、
世界中がハグして、ああ、良かったね!世界が戻ってきたね!って喜ぶところなのね。世界中みんな兄弟だね!っていうところ。まさに第九の世界観を現しているところね。

盛り上がって盛り上がって
次に来るのはまた違ったトーンの、ここ。

595小節 男声合唱が重々しく始まります。
♪ザーイト ウン シュルンゲン ミーリーオーネン 
おごそかな感じへと一転し、そこに女性合唱が重なってくるとっても素敵なところ。ソプラノは高い音を伸ばすところだから、しっかり準備しておかないといけません。
ここはもうね、讃美歌のように聞こえるのね。
宇宙の広がりを感じながら。もっともっと、広く。音量ではなく、音の広がりを見せなさいと。流れるように、拍を巻いて歌いなさいと言われるところ。

それが難しいんですけどね…。

そして続く…

627小節からの静かな、敬虔なところへ。
♪イール シュトゥールト ニーデル ミーリーオーネン
高い音を張り上げて歌うほうが、小さくひっそり歌うよりどれだけ楽かと思います。きれいなピアノの音で高音を出すことが、私にはまだ出来ない。だからここは本当に難しいです。でも本当に素敵な部分です。「あなたたちは謙虚に生きていますか?」とベートーヴェンに問いかけられているシーンです。

♪アーネスト ドゥー デン シェプフェル ヴェールツ
ここは「神様を感じますか、全世界の皆さん あなたはどういう人生を生きてきましたか」と問われているところだそうでして…
ヴェールツ(全世界)をとにかく美しく歌うようにと言われます。が、難しい…

続く640小節
♪イーベルン シュテールネン ツェルト ムス エル ウォーネン
先生曰く、ここは第九が集約されているところ、とても大切なところだそうで。心をこめて歌いたいところ、なんですが、音が高い音が長い…で非常に難しくて。苦手です。息が続かなくて~

と、うだうだ迷っている暇なく、
次の重要なパートがやってきます。

635小節 フーガの部分!!!
アルトの♪ザーイト ウン シュルンゲン のフレーズに重なり
ソプラノが♪フロイデ シェーネル ゲッテル フンケン …と、ぜんっぜん違うフレーズを歌うところ。そしてそこに男性も入って来て、もはや、わけがわからない~と最初思ったところです(笑)
こんなの歌えるようになるのか?と思ったところです。もう、自分のパートを完全に覚えて、我が道を行くしかない?ひとのところ聞いてる余裕なんてない?ってところ。しかも、ここ、長い!

でも、ノリノリで一気に行けるという面もあるので、乗ってしまえば大丈夫かも。そして、なんとか、全員で合わせてもそれなりに合っているように聞こえるようになりました。すごい♪

ここに続く
730小節 ここからもまた素敵なんです。
バスが小さくささやくように入ります。
♪イール シュトゥルト ニー デル ミー リ オー ネン
リズムが変わって、これまでとまた世界観が変わってくるのね。ほんとうにドラマチックな展開ね。バスからテノール、アルトと入って来て、最後にソプラノと全員が来る。
そして、兄弟!ブリューデル!で盛り上がる。ここからは、同じ音が続いて一見簡単そうだけれど、これが難しい。ハーモニー、糸が切れないように、全世界へのうねりを乗せてゆきたい…。

そしてソロのハーモニーもここから盛り上がりを見せます。ドラマは最高潮に向かってゆきます。

795小節
ソロの中にこっそりと?入ってくるような、とっても入りずらいところがここ。
♪ダイネツァウヴェル ダイネツァウベル ヴィンデーン ヴィーデル…
ちょっと早口だし、音低いし、ほんと入りずらいんですよね。でもここからが盛り上がるところだから、頑張る

806小節
♪ アアーレ メンシェン アーレ メンシェン アーレ メンシェン…
この入りも、1拍置くところが本当に難しくて。何度もタイミング練習しましたけど、みんな迷いがある(笑) そう、私も。上手い人にリードしてもらう覚悟で、飛び出さないようにだけ、心がけます(苦笑)
「世界に平和が戻ってきた!奇跡が起きた!」と喜ぶところなんです。

そして喜びをかみしめ、ベートーヴェンはそのあと、大粒の涙を流す。

815小節から一瞬、合唱が途絶えて静かになるところは、ベートーヴェンの涙なんだそうです。

涙の後は、また幸せをつかみに行きます。スピード感をもって、いよいよクライマックスへ!!

855小節からの
♪ザイトウンシュルンゲン ミリオネン のところはもはや早口言葉レベルで、歌詞どころでないってところですが。音階も細かいし厳しいし。でもしっかりしゃべって!と言われています。

880小節からは、高音ソのオンパレードで、下がらないように気を付けないと…。
もうほんとうに終盤で、声も疲れてきているので、このあたりは限界に挑戦的な雰囲気で絶叫しているのですが…

最後かっこいいところが控えているので、そこの入りに気を付けつつ準備…

915小節
♪トーホテル アウス エ~リ~ジウム
「求める人生に辿り着いた!ここが楽園!」
第九を歌う一人一人が、自分の第九をイメージして。自分の人生の楽園はどこにある?をイメージして…

そしてラストへと…。

いやもう、この文章、私にしかわからないって感じになっちゃいましたが。

もう、ラストシーンを想像するだけで、感動で泣けてきますね。
ベートーヴェンの大粒の涙を、
世界が一つになった歓喜の想いを。
私は本番、どこまで感じられるかな。

佐渡さんと、
オーケストラの皆さんと、
一万人の皆さんと。
どこまで一つになれるかな…♪