大腸がんサバイバーとして、YouTubeで発信するようになったのが2019年のこと。ステージ1の早期がんが見つかった私に、肺転移が起こり、進行がんを抱える患者になったことがきっかけでした。
それから4年経ち、2024年の2月も、私は元気に生きて活動することができています。
当時の私は、こんなに大きく全国紙に載せてもらう日が来るなんて、想像もしなかった・・・
明日のWorld Cancer Day(世界がんデー)を前に、ピアリング・ブルー代表としての私、佐々木香織が「フロントランナー」として、2月3日の朝日新聞土曜版「be」の一面を飾りました。
https://www.asahi.com/articles/DA3S15853056.html
我が街ヨコハマを象徴するような、みなとみらいの風景と、真っ青な空と海を背景に笑顔でポーズをとる自分・・・。とても綺麗な写真に、自分がモデルであることを忘れて見入ってしまいました(笑)
撮影の日は、たまたま私の52歳の誕生日の日で。
1月上旬のことでしたが、お天気だけが本当に心配でした。ロケ地は、ピアリングブルーを象徴する場所がいいね、と記者さんと相談して決めました。私の中には、ピアリングの事務所がある横浜市、そして青のイメージといえば、空と海。ちょうど年末に訪れて気に入ったスポット「大さん橋」の「くじらのせなか」なる公園がすぐに頭に浮かび、提案したのでした。
素敵な女性カメラマンさんが担当してくださり、ボツになっちゃったけど、魅力的な小道具での演出もしてくださって、撮影はとても楽しかったのです。何より、太陽が眩しくて、空が青くて。イメージを超えるほどの青に囲まれた、幸せな時間でした。(眩しさに目が細くなるのは少ししんどかったですが・笑)
それから我が家に移動して、普段のYouTube配信をしている様子をお見せしました。大した機材もなく、パソコンと簡易ライトだけのシンプルスタイルですが、あの通りなんです。胸にカロリーナと英語でロゴが入ったセーターを迷わず衣装に選びました。
・・・と、写真のことばかりになりましたが、肝心の記事も私の思いを余すところなく伝えてくださり、
記者の鈴木淑子さんには心から感謝申し上げたいです。私の話は脱線することが多く、そもそもがん治療歴も長くて複雑で、そこにピアリングブルー活動が入ってきたりして、もう大変な取材だったと思うのです。でも、それぞれのエピソードを印象深く書き切ってくださいました。ステージ4のくだりが、表現に悩むところでしたが、たぶん皆さんにご理解いただける形に書いていただけたと思っています。
私は札幌のUHB勤務時代に、1年間だけ、社員の相互交換研修という形で北海道新聞の社会部記者を経験したことがあります。テレビの映像なし、ペンと写真だけで表現をすることの難しさと面白さを学びました。その時に、このような「人物紹介記事」いわゆる「人モノ」を書くのが好きで、向いているねと上司に言われたことがありました。
どの記事もそうですが、一つの取材を、記者というフィルターを通して文章にしていく。私が見聞きしたことを、私というフィルターを通して、読者の皆さんに伝えていく。そのことが当時は怖くて。果たして自分というフィルターは大丈夫か。この人の伝えたいことを、私はちゃんと捉えて、文章にできているだろうか。同じ話を、先輩記者が聞いた時には、きっと違う記事になる。私は、大丈夫だろうか・・・。この人の良さを、最大限に伝えられているだろうか・・・。
そんな風に思いながら、迷いながら、10聞いた話を5か6くらいの割合で文章にしたものでした。割愛せざるを得ない話題はいつも必ず発生するもので、この割合で本当に良かったか?と、掲載後にも悶々とすることもありました。
で、今回の私の記事。記者の鈴木さんは流石のベテラン記者さんです。サバイバーのことも、よぉくわかっていらっしゃいます。だからこその記事です。
私が10話したことを、いい意味でスリムに削ぎ落としながら、でも肝心な部分はしっかり文字にしてくださいました。取材を受けた側として、自分の話がどんなふうに表現されるのかは本当にドキドキなのですが、自分の話以上に分かりやすく(しかも私がとてもすてきな人みたいに!)仕上げてくださったのを見ると、本当に感動しますね・・・。
改めて、今回の鈴木さんとの出会いに感謝です。細々とでも、活動を続けていると、見ていてくださる方がいらっしゃるんですね。そして、届けたい私の思いを、私の力以上に大きく、遠くまで届けてくださる方が、いらっしゃるんですね。ありがたいです、本当に。
届けたい私の思いは。
ひとりで悩み、苦しみながら、自分の課題(がん治療など)に向き合う仲間に「一人じゃないよ」を伝えたい。そして、一緒に、前を向いて生きることの良さを知ってもらいたい。
がん治療だけじゃないです。課題はひとそれぞれ違うけど、必ず、仲間がいるから!