ストーマ生活のこと

術後の縫合チェックのための注腸検査と大腸内視鏡検査 そして2か月ぶりに自分の肛門を使うと…(汚い話ですので気になる方はスルーを!)

2018年10月30日(火)

 

今日は一ヶ月ぶりに有明に行ってきた。術後の経過確認として、肛門の奥のつなぎ目の様子を見るための注腸検査と、大腸内視鏡検査をするためだ。直腸を切除し、縫い合わせた部分が、ちゃんとくっついているか? もうそこを排泄物が通っても大丈夫な状態か?を確認するということだ。

 

朝8時半の予約だったから、早起きして7時過ぎの電車で向かった。見事な秋晴れの青空!

 

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受付マシンに診察カードを通し、すぐ内視鏡の待合室へ行った。8時半ちょうどから窓口で受付が始まる。そこで問診票を提出し、高額医療費の紙もあれば出してと言われたけど持って来なかったと言ったら、来年7月までのものをお持ちですよね?でしたら大丈夫ですよ!と言われた。そして「この人は直腸だけだから下剤がないですね」と看護師さんたちが言い合っていた。よかった!下剤なし、最高!

 

そして中に入り検査着に着替え、ほどなくして呼ばれた。今日は肛門からすぐのところの直腸を見てもらうのだ。だからカメラが入るのは入り口からほんの数センチだし、鎮静剤は使わなくても大丈夫ではないか…ということだったので、私も、そういうことなら大丈夫でしょう!と言って初めて鎮静剤不使用でおしりカメラをやってもらった。そうしたら本当にらくらくで、何の痛みもない。意識もはっきりしているので、モニターをよく見ることができた。

 

モニターには何かまだ腫瘍みたいなものが見えて、一瞬これ大丈夫なのかな…?と不安になって聞いてみたけど、恐らく99%これは回復のための盛り上がっている部分だから大丈夫だと思うけれども、念のために細胞検査に出しましょう、と言ってカメラの先から器具がにゅっと出てきて。少し出血しつつ、細胞組織が取られた。

 

技師の方と少し雑談した。ここに来てカメラをする人は、もうがんがあることがわかったから詳しく調べる人達ですか?と聞いた。そうすると、大体そうですよ、そうでない人には検診センターがあります、と言われた。なるほど。そして、悪性腫瘍は1センチ ぐらいの大きさからこのカメラで見つかるのですか?と聞くと、いえいえ5ミリぐらいからもう分かります!と言われた。今のカメラは性能がとてもいいから、拡大して見ることができるのですと。5ミリぐらいの大きさでも、その様子は拡大できるから、血流とか他のポリープとの違いは見分けがつくんだそう。すごいな…と素直に思う。そのレベルでがんがわかって、すぐに内視鏡で切り取ってしまえたら、それが一番いいよなぁと思う。

 

そんな雑談を含めても、ものの10分もかからずに検査は終わった。着替えて検査後の説明を受けた。今日は一応細胞を取ったから、脂っこいものやお酒は控えること…などなどの注意点を言い渡された。前にポリープを取った時と同じような説明だったから、勝手がわかっているので大丈夫。

 

そして次は注腸検査。違う窓口へ行って受付をした。こちらもすぐに呼ばれ、検査着に着替えた。さて、この検査自体は大丈夫なんだけれども、検査の後が本当にきつかった…。お尻から何やら液体を注入され(造影剤という)、腸の様子をX線撮影する検査なのだけれども、検査終了後すぐに何かがお尻から出そうな感覚があって。着替える前にすぐトイレに案内してもらった。そうすると、液体は出るわガスがブーブー鳴るわ。もうね、びっくりするぐらい大きな音のオナラが何回も出た。検査技師の方は、ガスもおそらくストーマの方に溜まると思うけど…と言ってたけど全然そんなことはない。普通にお尻からガンガン出てきた。恥ずかしさのレベルをはるかに超えていた…。

 

そもそも、手術後はずっと自分の肛門は封印されていて(使っていなくて:というのも排泄物は肛門まで届かず、途中の人工肛門を通ってパウチ袋にたまっていくからね)、今日は実に2か月ぶりに「自分のお尻の穴を使った」ということになるのね。

 

水分やら気体やらがお尻から出尽くしたかな…と思い、トイレから出ようと思って立ち上がったら、また水が降りてくる感じがあってまたトイレに座った。それでも大体出し切ったかな~と思って着替えをして、最後に検査後の説明を聞いた。技師の方は、今もだいぶお尻から出たと思うけれども、この後もまだ少しそういう感じがあってガスや水分が出るかもしれないから気をつけて!と最後におっしゃった。私も、はい分かりました。来た!と思ったら本当にすぐ出るからトイレの近くにいた方がいいですね~と言ってその場を離れた。

 

その舌の根も乾かぬうちに。

2階から1階に降りようとエスカレーターで下に向かったら… エスカレーターのまだ半分ぐらいの所でお尻に急にもよおす感じが来た!えええ、さっき技師の方と話してからわずか数分の出来事よ?!いくらなんでも早すぎないか…?どうした、わたしのお尻!!せめて、あと1分。待ってくれ!1階はすぐそこまで来ている…

 

しかしだ。

まずい!と思ったら最後。時すでに遅しだ。じわりと何やら液体が漏れ出した。思わずエスカレーターの上でお尻に手を当てて塞ぐような格好をしてしまった。あんな経験初めてだ。お尻から出ているから、尿漏れならぬ、便漏れである。生まれて初めての屈辱である…。

(厳密には、便は人工肛門から出ているから、出たのは先ほどの検査で注入された造影剤と、大腸にわずかに残っていた便?2か月前の便?きゃーーーー!!!)

 

すぐに1階のトイレに駆け込んだら、案の定、液体がパンツにべっとり付いていて。その上のレギンスにも結構な範囲で漏れていた。幸いスカートまでには達してなかったみたいだけど、これ、今日ズボンだったらもうそのズボンは使い物にならなかったと思うわ…。スカートだったのは不幸中の幸いだわ…。レギンスの水分吸収力には本当に感謝である。無印のレギンス、優秀。

 

ありがたいことに、この病院にはファミマがある。応急処置を施し、ファミマに行き、パンツとストッキングと生理用品を買ってまたすぐに急いでトイレへ戻った。そのトイレは個室が二つしかないから、時間をかけて申し訳ないと思ったけれどもこれはもう緊急事態だからしょうがない!トイレに腰を下ろしたらまた水分が出てきたよ…一体どんだけ出るの…(涙)ちなみに、直腸を切り取った私に、便意などというものはない。自分の意思に関係なく、無情にも出てくるのだ。お尻から水分が。まさに、コントロール不能なお尻とはこのことである。怖い。

 

ナプキンを当ててパンツを履き替えてストッキングを履いて。なんとか落ち着いた…。やっととりあえず一安心だけど、こういうこと(自分でコントロールできない便もれ)が、人工肛門を外して自分の肛門に戻ったあとは、普通に起こるんだ…ということがよくわかった。今日もパンツの替えを持ってきておけばよかった。もしくは生理用品を常備しておくべきだった。まさかこんな目に遭おうとは、想像だにしなかったからなぁ。

 

確かにこんな状況じゃ、外に出るのは怖くて、引きこもりになっちゃうなあと思った。

 

そういえばお腹が空いてたんだった!と思い出し、東京會舘でオムライスとサラダとスープのセットを食べた。本当は奮発してビーフシチューにしようかなと思ったけど、やっぱり今日はなるべく脂っこいものは良くないと思ってやめた。とは言え和食の日替わりセットはあまり魅力がなかったので、結局オムライスのデミグラスソースかけにした。定番は安心の美味しさだから。

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そうこうしているうちに主治医F先生の診察の呼び出し音がもう鳴ってしまった。本当にあのタイミングはすごいと思うほどに絶妙だった。だって、食べ終わってスプーンを置いた途端に鳴ったのだから! 本来2時半からの予約だったけれども、いろんな検査が早めに終わったので窓口の人も配慮してくれて早くしてくれたんだろう。

 

久しぶりのF先生は相変わらずお元気そうで。いつものくりっとした目で対応してくれた。私はF先生の顔を見ると、いつもちょっとホッとする。

 

早速今日の検査の結果を伝えてくれる。肛門の接合部分もうまくくっついているとのことで、経過は順調だから、ストーマ人工肛門)を閉じる手術の日取りを決めましょう!と言われた。そうか、もう日取りを決める段階まで来たのか…と感慨深い。そして希望の日にちを聞いてくれたので、11月22日木曜日の手術を希望した。そしたら先生は、うーんとちょっと唸った。でも大丈夫か!と言って結局は22日で組んでくれた。ただし午前中はちょっと調整が必要みたいで、手術開始は13時からということになった。

 

今回もパソコンでいろんなことを話しながら入力している。 T先生とか他の先生の名前もここで選択し、5人ぐらいのチームを組んでいた。そして今日すぐにも肺活量の検査などいくつかこなさないといけないらしく、そちらもパソコンと電話で予約を次々に入れて行った。そうか、今日はこれで帰れるのかも!と思ったら検査をするんですね…。 結局今日は1日仕事になるんだな、と思った。

 

そしたら検査は割と順調に進んでくれて。前回手術の前にもやった、息を吸って吐いての肺活量の検査と、負荷心電図検査を受けた。その前に血液と尿検査もやった。そこまで終わると今日のミッションは終了!

 

お気に入りの5階のガーデンを見に行ったら、秋の花の代表であるコスモスがキラキラと輝きながら咲いていた。もうここも秋なんだなぁ~とその時実感した。

 

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またここにお世話になるんだなぁと思うと、あのつらかった夏の闘病の日々が思い出されて、ちょっとやっぱりいい気持ちはしない。でも、まぁ次が最後だと思えば頑張るしかないかな、とも思う。

 

そういえば今日もロビーコンサートをやっていた。サティのジムノペディが聞こえてきたから、今日はピアノ演奏の日かな?と思って慌てて降りていったら、今日も歌の日だった。確か前も同じ人の歌だったかもしれないな…と思いつつ聞いていた。最後はお客さんも一緒に、みんなで「もみじ」を歌った。私も大きな声で気持ちよく歌った♪

 

それから入院の受付窓口へ行った。ここでは少し待たされたけれども、また前回と同じように受付をしていくつか書類をもらった。最後、機械でお会計をした。お会計は2万円ちょっとだった。今日は検査をたくさんしたからねぇ…。いつものようにクレジットカードで払って病院を後にした。カードで払えるのは、ポイントがたまるのでとても嬉しい。

 

結局まだ3時半だったから電車も空いていたので助かった。今日はまだまだ青空が続く、本当に気持ちのいい1日だ。今日一日の疲れを癒したくなったのか、なぜか無性にモンブランが食べたくなり、大井町のアトレのカフェに入った。久しぶりに食べるスイーツはとても甘かった…。

 

今日はたまたま長男も早く帰ってきたので、 3人でゆっくり夕食のテーブルを囲んだ。和やかに過ごす夜だった。そう言えば夫や実家にも、次の手術日程が決まった件を伝えなければならないけど、さすがに今日は疲れたなぁ。疲れたので、明日、電話することにしよう。丸一日にち出ずっぱり、しかも一日中病院の日は、さすがに疲れるのだった。