前編で書きました通り、
自宅での簡単な細胞採取で出来ちゃうという「アルコール感受性遺伝子検査」の存在を知り、さっそくググると、なんと楽天とかアマゾンでも売ってるんですねキットが!
GENOTYPIST アルコール感受性遺伝子検査キット【口腔粘膜専用】※レターパックプラスでお届け【他のゆうパック商品と同時注文時はゆうパックの送料に準じる】
ちょうどお買い物マラソンだったこともあり(笑)すぐに夫婦二人分注文したら、ものの数日で届きました。ちっさい箱に入ったキットが。
検査自体は本当に簡単です。そんなんでわかるんかい?と突っ込みたくなるくらいに。
専用の綿棒で、口の中(ほほの内側)を何度もこすりとる。ここに酒飲み遺伝子がくっついてくる、らしい。食後30分はおいて、こする前には口をゆすぐ。準備と言えばそれくらいです。おしりカメラ前の食事制限と下剤に比べたらなんて簡単なことよ!
そして綿棒を15分くらい清潔な場所に置いて乾かして、ふたをして専用の封筒に入れて検査会社に郵送するのみ。ポストに入れるだけでOK。切手不要です。
結果が届くまでは2週間ほど。楽しみに待ちます。
健康診断の結果を待つのは、もはやこのお年頃になると楽しみではなくなるが(笑)、この結果は楽しみだった。
ちょっと前の、がんを患う前の私だったら、この結果も全然楽しみじゃなかったと思う。
酒好きなのに、酒を飲んではいけない体質だったらどうしよう…
酒を飲む楽しみが減るじゃないかー。
だったら自分の体質なんて、知らないほうが幸せじゃないかー。
間違いなくそういう思考回路だったわね、私。
でも今は、ワインをやめない、これからも(少量でもいいから)飲み続けるぞと、がんサバイバーとして決意したからには。己をまず知ることがとにかく大事だと思うんですよ。
敵(愛するワインを敵とは呼びたくないが、そこに含まれるアルコールってやつは間違いなくがんリスクを高める敵には違いないので)を知る前に、己を知れ!ってやつですよ。
だから、自分がどの酒飲みタイプであっても、それを受け入れて、そんな自分を理解したうえでワインを飲む!そのほうが安心に決まってます。ね?そうじゃないですか?
さて届いた結果はA4の封筒に入っており、なかなか立派でした。
検査機関は広島県にあるけども。監修は、かのアルコール依存症治療で有名な「国立病院機構久里浜医療センター」が行っているんだ!
そして結果を見てみると、
わたしはR3型というものでした。
アルコールの分解に重要な役割を果たすという2つの遺伝子について調べたんだけど、
遺伝子その1:ADH1B が3型(高活性型)
遺伝子その2:ALDH2 がR型(低活性型)
だそうです。
日本人の24.7%に該当するタイプだそうで、一言で言うと
「飲酒による健康リスクが高いタイプ」ですって…
うーーーん。わかっちゃいたけど、ズバリそう言い切られると。酒好きとしてはちょっと、かなり残念(涙)
具体的にどういう特徴がこのタイプには見られるのか、という解説も書いてあります。
「アルコール⇒アセトアルデヒドの分解が速いので、少しの飲酒でも顔が赤くなる。が、続けて飲むことである程度飲めるようにはなる。飲み続けていると、上部消化管がんになりやすいので、定期的な検診が必要」
そうですか。上部消化管がん、ですか。
私がやった直腸がんは、下部消化管、なんですよ。上部じゃないの。
上部と言えば、食道がん。それに口腔がん、咽頭がん、喉頭がんというのもある。
そうなの。一回、直腸がんをやったからと言って、ほかのがんにかからないっていうわけでは全然ないの。おたふくや水ぼうそうとはわけが違うんですよね、がんは…
まだまだ私にはがんリスクはある。
そして、上部消化管がん、と具体的な名前も挙がってきた。
結果報告書には、注意すること として、こんなことも書いてある。
「このタイプは初めは下戸に近い状態。だが飲酒機会が増えることでアルコール耐性ができ、鍛えれば飲めるようになるタイプ。飲酒習慣がつくことで上部消化器がんのリスクや、飲酒量増加に伴い肝障害、膵炎、糖尿病などのリスクが高まる」
もっと読むと、 予防のポイント も書いてある。
「少しの飲酒でも食道がんのリスクがW型と比べ約8.84倍高く、また3合以上の飲酒では約114倍(!)まで高まるため、飲酒習慣をつけないことが大切。毎日飲酒される方は、適正量を把握し、定期的な検診を」
114倍ってすごいよね…(汗)
ちなみにW型というのは、大酒のみタイプのこと。もともとお酒に強いタイプを指すようです。あああ、私もその部類だったら。もう少し安心して(?!)ワイン飲めるのにー。
いや、そうじゃないよ。
大酒のみだからと安心して飲んでたら、アルコール量は増えるにきまってるし、それだけ体に負担をかけてしまうよ。
つまり、自分がどのタイプかわかることも大事だけど、
そもそもの「適量」を知り(しつこいけど1日に純アルコール20gまで)
飲み過ぎないこと!
これが最も大事なのではないかと思います。
別にがんになっても、膵炎になっても、糖尿病になってもいいんだもん!いま美味しく飲めればいいんだもん!今を楽しめればいいんだもん!
という方は、この記事は完全無視で構いません。
酒飲み全盛期の私だったら、完全無視派かも知れなかったなぁ(苦笑)
でも、一度がんをやってごらんなさいよ。
もう、酒飲み全盛のような飲み方は出来なくなるよ。
私のがんは、幸いにしてタチがいいほうで、今も元気に普通の生活に近い毎日を送っているけれど。そしてワインも時々は飲めるけど。
そういうがんばかりじゃないし。
私だって、転移とか再発とか。完全にゼロとはだれも言い切れない。
一度がんをやるってことは、そういうことなんです。
がんになる前の自分には、もう戻れないんだよ。
酒飲み仲間に言いたいのは、
「これから先も楽しく美味しく酒を飲みたいなら、いまこそ、酒量をコントロールせよ!」
そして自分をコントロールできるのは、自分しかいないんだよ…。
もし、自分はすでに依存しちゃってるかも?とちょっとでも思っている方は、この検査結果票の末尾に「飲酒習慣チェックシート」がついているので、やってみるといいかもしれません。
これは、AUDITというテストだそうで、
「世界保健機関(WHO)が作成したアルコール健康問題のスクリーニングテストで、世界で最もよく使われています」とのことですよ。
ちなみに、わたしもこのテストをやってみたら、
私は15点:アルコール依存症の疑い でしたよ…とほほ…
でもこれから先は、0~7点:非飲酒または危険の少ない飲酒 になります!(宣言)
ご参考までに、
毎晩家でもワイン飲んでいた(主に泡)わたしが、いまワイン代わりに飲んでいるのがこちらです。お酢だし、ノンアルだし、美味しいし。これは超オススメです。
あと、この本も非常に秀逸。
ご自身も酒飲みだというライター:葉石かおりさんによる、酒好き医師へのインタビューまとめ本です。なぜアルコールが身体によくないのか、がんリスクを高めるのかなどなど、とてもわかりやすい言葉で丁寧に解説されています。酒飲みなら一度は目を通しておくとよいかも。
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