変化の兆しは、今年、2018年の年明けくらいから訪れていた。
トイレットペーパーに、正体不明の茶色いものがすこーし、つくようになっていた。
ただそれは、いわゆる「下血」とか「出血」というイメージのものじゃなくて。
どっちかというと、生理の時期じゃないのにちょこっと出血があるふうな、いわゆる女性が言うところの「不正出血」?的な感じのものだった。これはいったい、どの穴から出ている?的な(笑)
私はそれまで生理不順ではなかったし、不正出血もあまりなかったから、これは何か婦人科系の病気の疑いだろうか?なんか気持ち悪いな…くらいの感覚でいた。特に病院にかかることもなく。だって全然たいしたことないし。
そのうち、排便時のトイレットペーパーに、なんとなく赤っぽい粘膜?みたいなものがついている感じがあった。これも、明らかに血っていう感じではなくて、そうね、例えるなら生のトマトを切った時の種の周りのゼリー状な感じ。色も、薄赤くて。もちろん、痛みも全然ないから、痔ではないよね?ってことは容易にわかる。
それから、夕方に時々、便意をもよおすことがあった。私は基本的に朝型排便の人だから、そもそも夕方というのがおかしな話なのだ。そしてトイレに行くも、排便はない。でもなんかちょこっと出た?と思ってトイレットペーパーを見ると、そうね、例えるなら梅干しの端っこみたいな(笑)状態の赤茶色のものが、爪の先ほどの少量、ついているのだった。
これは明らかにお尻の穴から出ているのであった。
なんか気持ち悪いなぁ、と思いながら、例によって痛くもかゆくもないし、お腹が張るとか膨れるとかもないので、すぐに受診するわけもなく。
いや本当は、このあたりでおしりカメラをすぐに受けるべきなんですよ、みなさん!!
なお2月の初めごろに、私は一度、おしりカメラを受けたクリニックを受診していた。それは、前の年にやったピロリ菌除去の結果を聞くために…。
ピロリ菌とは無事にサヨナラ出来ていて、ひとまずめでたしめでたし、だった。
先生に、「何かほかに気になることはないですか?」と聞かれ、
先に述べたような症状があることを告げた。すると、
「心配なことがあるなら、大腸内視鏡やったほうがいいですよ。何か出ているということは、体の中で何かが起こっているということだから。内視鏡でそれが見えるんだから、何が起こっているか調べたほうがいいですよ」
…と、至極まっとうなアドバイスを下さった。
ただ、トーンとしては、
「そんな症状があるなら大変!すぐに検査してください!」
というものではなく、あくまで自己判断で、受けてみるといいですよというニュアンス。
この時わたしはまだ油断していて、
どうせ新年度、4月に入ったら会社の健康診断を受けるわけだし、その時に何かあればわかるでしょ、それからでもいっか!と思っちゃったんですね…。
あの2月の時点ですぐにおしりカメラをやっていたら。
もっと私のがんのサイズは小さかっただろうし。
そうしたらもっと手術もシンプルなもので済んだかもしれない。
今となっては後悔しきり、である。
さて時は過ぎて5月。会社の健康診断の時が来た。
4月以降、適当な検査日を総務部が予約してくれて、私はたまたま5月の末に割り当てられた。これがもし、もっと遅いタイミングを割り当てられていたら、さらに発見が遅れていたね…。
検査にあたり、二日分の便を提出する。便の表面を採取棒でまんべんなくこすり、専用の容器に入れる。いつからか二日分の提出になっているのね。昔々は一日分だった気がする。
この方法で、目に見えない血液も調べることができるそうで。「便潜血検査」、まさに、「便に潜む血を調べる」検査というわけである。
ま、私の場合、この頃には、便をよくよく見ると表面に薄赤い筋みたいなのがついていたんですけどね。これこそまさに、便ががんの近くを通るときにがんを刺激してわずかに出血した、その血だったわけですけどね…。
さてその後、1か月して待望の検査結果が会社の私のデスクに届いた。待望の、というのも変な話だけど、私の中ではすでに何らかの覚悟みたいなものがあったのは事実。検査結果で要精密検査が出て、そしてまたあのクリニックにおしりカメラをやってもらいに行くのだ。そんなシナリオが、頭の中に出来上がっていた。虫の知らせ的な何かかな?
これが、6月28日の話。
ここからのことは、以下の記事にて詳しく書いております。
かいつまんでスケジュール面のことだけ言うと、
5月29日:健康診断実施日
6月21日:要精密検査という結果を得てすぐにクリニックに予約の電話
6月26日:クリニックに問診に行く(いきなり検査予約は出来ません。必ず事前の受診が必要!)
7月28日:がん確定と言われた(細胞の病理検査の結果が出た)
最初に異変を感じたのが年明け、1月だから、それから半年以上経っての検査となったわけだ。
大腸がんは、がんの中でも比較的おだやかで、進行が早いものではないと言われているけれど、一応わたしまだ46歳だし。若いと進行が早いというし。半年もあれば結構がんも育っちゃったかなと思うし…。(実際には痛くもかゆくもないので、がんの発育状況は知る由もないのだけれど)
と、まあ、このように半年くらいはすぐに経過してしまうものなので、
万が一、いまこれを読んでいる方の中に、ちょっとでもおかしな「これって出血?」的なものが見られる方はすぐにおしりカメラの予約を!
というか、その前に、おしり拭いたらトイレットペーパーをまず見ること!
すぐにウォシュレットできれいにしちゃったらダメですよー。
食べ物の最終ランナーの行く末を、ぜひとも見届けてあげてください。そこにサインがあるんですから。
せっかくサイン出してくれてても、見なければ意味なし、ですよ。
⇒次の記事はこちら。